2.「4部昇格への道のり」
稲垣副会長から、苦戦したシーズン初期からリーグ戦での大健闘までの「4部昇格への道のり」を主題に、 それぞれの立場、それぞれの目で見た分析、見解などのプレゼンテーションをお願いしているので、 楽しみにしてお聞き下さい、との挨拶があり、現役チームの活躍を実感する動画の紹介からプレゼンテイションが始まった。
(写真は当セッションの目的を説明する稲垣副会長)
プレゼンテイションMENU
(各項目をクリックすると詳細説明が開きます。)
(2年生:眞田 怜さん)
現役の全試合の結果を同窓会メンバーに送り続けた2年生メンバーがリーグ戦での戦いぶりを解説付きで動画を紹介した。
(守屋 洸洋前主将:4年生)
最後は4年生の結束が大きかった。その時自分たちで作った中長期計画がチーム一丸への道筋を作った。
3年生は4年生をどのように見、どのようにチーム結束に参画していったのか。
(高山祐樹新主将:3年生)
(酒井美律希マネジャー:2年生)
チームの一員として熱く戦い、そして冷静に状況を見てきたマネジャーの道のりはどうだったのか。
(中尾圭佑コーチ:修士1年)
大学院修士のアシスタントコーチ西川潤平さん住山恵一さんとともにどのように指導しゲームの指揮をとったのか。
(原辰次監督:1974年制御,関野正宏さん:1993年物理)
チームをどのように見、指揮・指導をどのようにしてきたのか。
(徳永俊亮さん:2014年情報,上島康弘さん:1965年機械)
比較的チームの身近におられる徳名さんと少し離れた位置におられる上島さんはそれぞれ4部昇格への道のりをどのように見ておられたのか。
(現役全選手)
リーグ戦を通じ感じたこと実施したことなど個性的だった現役選手全員によるワンポントアピール。
プレゼンテイション
(1)動画「リーグ戦で印象深いシーン」の紹介
(2年生:眞田 怜さん)
現役チームの全試合の様子を同窓会メンバーに届けた2年生の徳田さん、眞田さんはを代表して、眞田さんが動画の解説を行た。
動画は、試合分析用に撮影されているため、個々人の動きを見るには遠すぎるが、眞田さんの解説付きで見ると、動きが生き生きと伝わり、 シュートが決まると参加者から拍手が湧いてきたりで、大変楽しく印象的だった。
祝勝会当日紹介された動画のなかから、下表の決勝トーナメント戦績の「動画有無の欄」の有と示す3試合を以下から覧いただける。
なお、動画中東工大のユニフォームの色は、対東京都市大学-青、対芝浦工業大学-白、対文教大学-青で下の表のバックグランド色と同じである。
動画サイトを開く (映像時間約3分半。動画閲覧には暗証番号が必要です。)
(写真は動画の解説をする眞田さん)
2014年東京工業大学バスケットボールリーグ戦 入れ替えチーム決定トーナメント戦績 |
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日時 場所 |
東京工業大学 | 対戦相手 | 動画有無 | ||||||
勝敗 | 得点 | 対戦相手名 | 勝敗 | ||||||
計 | ピリオド | 計 | |||||||
10/18 (創) |
○ | 83 | 23 - 22 | 73 | 東京都市大学 | ● | 有 | ||
12 - 22 | |||||||||
22 - 17 | |||||||||
25 - 12 | |||||||||
10/19 (創) |
○ | 109 | 25ー12 | 45 | 千葉商業大学 | ● | 無 | ||
33 - 12 | |||||||||
21 - 6 | |||||||||
30 - 15 | |||||||||
10/25 (帝) |
○ | 91 | 18 - 19 | 76 | 芝浦工業大学 | ● | 有 | ||
27 - 20 | |||||||||
25 - 18 | |||||||||
21 - 19 | |||||||||
10/26 (帝) |
● | 55 | 11 - 18 | 101 | 文教大学 | ○ | 有 | ||
19 - 29 | |||||||||
10 - 33 | |||||||||
15 - 21 |
(2)「4部昇格への道のり」
(守屋 洸洋前主将:4年生)
守屋前主将のプレゼンテイションは、祝勝会参加者から「このように部活動の意義を考えて活動したのははすばらしい」 と評価を頂いた。
1.東工大バスケットボール部のアイデンティティ
(1)部員は実直が故に部活動の目的を見失っているとの問題意識を持った。
(2)そこで、まず以下のように長期的目標を設定した。
・3,4部に定着する。
・学生及び人として成長する。
(3)次に、この長期目標を達成するため以下のような3ヶ年計画を作成した。
・2014年:5部優勝
・2015年:4部上位リーグ進出
・2016年:3部昇格
2.3ヶ年計画を遂行するために全部員が実施することを整理した。(下図)
3.主将自身がリーダシップについて考え以下を実施した。
(1)自分自身が率先垂範、実施して実現できることを示す。
(2)各学年と必死でコミュニケーションを図る。
(3)自然な感謝と信頼
このように計画を設定し、率先垂範もしてきたが、シーズンはじめは4年生の仲が悪く大変だった。 いろいろなことを協力して乗り越えながら最後には纏まり、今では今までにないほど4年生で飲みに行ったりするするほどになった。 これにより今年目標の5部優勝に向けチームが一体になって勝利への基盤ができた。
4.バスケットボールの戦術面:
相手のデフェンスが準備できる前に攻めるアーリーオフェンスをシーズン途中で導入し、これが効果を発揮した。
5.来期チームは「史上最強のチームになる」:
期待とエールを送ってプレゼンテイションを締めくくった。
(3)3年生の目からから見た「4部昇格への道のり」と新主将の抱負
(高山祐樹新主将:3年生)
1.抱負:
前主将守屋さんをはじめ4年生、原先生、関野さん、大佛先生が中心となりつくりあげた体育会系として強く、 人として成長できる東工大バスケットボール部の体制をより一層深く根付かせ、次世代へとつないでいくこと、 そのためにも今シーズンは4部上位進出という経験を残していきたい。
(写真上:昇格への道のりと抱負を語る高山主将)
2.自分から見た4年生:
4年生が当たり前だと思われて行っていたことであったとしても、私はそのことを並大抵の努力ではないと感じ、 尊敬しています。自分の目標であり、頼りになる先輩方です。
4年生方が常に順調に進めていたわけではないと思います。私が、本当に4年生全員の意思がそろったと感じた時がありました。 あの時、この人たちとなら、リーグ戦もトーナメントも勝ち進むことができると思ったことを覚えています。
3.チームとして勝つ条件:
4部を戦うための走力等のフィジカル面を前提に考えると、チーム全員が意思をそろえ、同じ方向を向き最善の努力をすることがあげられます。 昨シーズンの特に最後は4年生が先頭に立ち、皆が優勝に向かいそれぞれが最善を尽くしていました。たとえ試合の中で劣勢に立たされても、仲間を信じ、 自分たちが今までやってきたことを信じ、貫き戦う力がありました。 故に準優勝という結果を残すことができたのだと思います。
このように東工大が勝つためにはチームが本当の意味でまとまり、戦うということが必要不可欠だと思います。
4.最後に:
4年生は引退されますが、3年生以下下級生ともども4年生がいなくなったからと言われぬよう、日々精進し、 ゆくゆくはその背中を超え、皆がうらやむような東工大バスケットボール部を形作っていきます。
応援のほど、よろしくお願いいたします。
(4)マネジャーの目から見た4部昇格への道のり
(酒井美律希マネジャー:2年生)
チームの隅々まで妥協のないキャプテン:
このチームではマネージャーも選手でした。試合に臨む代わりのいない存在です。 その価値に一番こだわったのがキャプテンの守屋でした。だからこそマネージャーの仕事一つひとつ、その気持ちにもとても気を配ってくれていました。 やがてその姿勢は4年生のものとなり、チームのものとなり、私たちを支えてくれていたのだと思います。
(写真上 4部昇格への道のりをマネージャーの目から説明する酒井さん)
原先生、関野様よりいただく東工大バスケ部に最もあったアドバイスを本当に理解し、身に付くまで下級生に声をかけ続けるという作業を4年生は してくれていました。そこには、下級生のプレーへの非常に大きな責任感がありました。しかしその作業が確立することはとても簡単ではなく、 本当に苦しい時期もあったと思います。そんな中でもマネージャー、下級生とのコミュニケーションに妥協なく取り組み続けた姿勢が勝利への道だった、 と思っております。
そんな姿勢がチーム一人ひとりに伝わって、全員がチームのため動き始めて、ようやくチームが勝利へと向き一丸となった準優勝だったと思います。 最高のあたたかいチームでした。
(5)コーチから見た4部昇格への道のり
(中尾圭佑コーチ:修士1年)
大学院修士の中尾コーチ、西川アシスタントコーチ、住山アシスタントコーチを代表して、中尾コーチよからお話があった。
(挨拶する西川コーチ(写真左)と住山コーチ(写真右))
インカレから学ぶ勝利の方程式:
(1)最後に勝負を分けるのは4年生の気迫:2014年のインターカレッジ決勝戦の東海大学と筑波大学において、 筑波大学の主軸は4年生に対し東海大学は3年生、その筑波大の主軸は怪我を押して頑張り優勝を勝ち取った。 3年生と4年生の差が出たもので、4年生の力はもはや十分条件である。
(写真上はコーチから見た4部昇格の道のりを説明する中尾コーチ)
(2)当時の4年生のメンタリティ
野口君は腰痛で「どうせ最後に出れる」、ト澤君は手首骨折し「最後の年なのに」と考えていたようだが、 最後、野口君は「俺が試合に出て勝利する」、ト澤君は「走る!点取る!楽しむ!」に変わった。この変化が4部昇格の道につながった。
(6)監督及び技術アドバイザーの目から見た道のりとまとめ
(原辰次監督:1974年制御,現東大教授)
(関野正宏さん:1993年物理,現東芝府中事業所勤務)
(関野正宏さん:1993年物理,現東芝府中事業所勤務)
(関野技術アドバイザーからのお話し)
試合の戦術について、現役、コーチも悩み、自分も色々考え、夜中に電話でやり取りしたこともあった。
東工大より身体能力の高いチームに対し、どうするかと考え、社会人チャンピオンである東芝バスケットボール部が戦術の一つにしていた 「アーリーオフェンス」は相手チームのディフェンス体制が整う前に勝負を決めるというもので、今の東工大に合っていると考え、 この戦法を提案した。
最初に紹介された動画も、確かに早い段階からシュートにもってゆくシーンが多かった。 より強いチームでこれが通じると思い込んで油断してはいけないが5部では通用した。
(写真上は関野技術アドバイザイーのお話しの様子)
(監督の目から見たから見た4部昇格の道と取り纏め)
総括すると、シーズンに入ってから、迅速且つ明らかな進歩があった。自分も試合をよく見て、適宜、適時のアドバイスを急所となる対象に送ることに務めた。個別に例を挙げれば、中尾ヘッドコーチが経験を重ねて大きく進歩した。トーナメント 2回戦で東京都市大学に、前半リードされながら、後半の粘りで余裕を持って逆転する力を示したので、準々決勝の芝浦工大戦で、前半の競り合い中でも余裕を持って見守っていられた。
(原監督のお話し)
今シーズンの鮮やかな進歩と結果は見事だったが、まだまだ、大きな成長余力を残しているので、これから、挑戦していく楽しみも大きい。 例えば、僕とコーチ達とのコミュニケーションにしても、個別にチェックすると十分に伝わっていない部分が多いことが判った。スポーツの指導者がよく言っていることだが、自分としても教訓になった。
(7)同窓会員の目から見た4部昇格へのみちのり:
(徳永俊亮さん:2014年情報,上島康弘さん:1965年機械)
(リーグ戦を直接応援した徳永さんのお話し)
ずっと気にしていたのだが、実際に現場で応援できたのは、入替戦出場を決めた大事な試合だけだった。秋のシーズン入り直前までの成績が良くなかったので心配しながら見に行ったのだが、みんなの動きの呼吸が合い、得意の粘りも発揮して鮮やかな勝利を見せて貰った。 同期のコーチ達にもお祝いの言葉を贈りたい。
(写真は徳永さんからのお話しの様子)
(少し遠くから見守ってくれた上島さんのお話し)
自分たちの頃は、早稲田で監督をされていた伊藤順蔵さんと言う方にコーチをお願いし、それなりに楽しいバスケットボールをしたが、 今日現役やコーチの方からお聞きしたように、明確な目標を定めて活動しようなどと考えたことがなかったように思う。 従来のやり方はどこかで評価されることになるのかかわからないが、目的、目標を持って部活動を実施することは素晴らしいことだと思う。
(写真は上島さんのお話しの様子)